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2018年05月

YKK80ビルにて「第56回空気調和・衛生工学会賞技術賞(建築設備部門)」受賞


 公益社団法人 空気調和・衛生工学会(SHASE)が主催する「第56回空気調和・衛生工学会賞」表彰式が2018年5月11日に明治記念館にて開催され、YKK株式会社とYKKAP株式会社の本社ビルである「YKK80ビル」での業績に対し建築設備部門の最高賞である学会賞技術賞を頂きました。
 弊社はYKK不動産株式会社、YKK株式会社、YKK AP株式会社、株式会社日建設計、鹿島建設株式会社、首都大学東京一ノ瀬准教授と連名で『YKK80ビル』の計画・設計・施工・運用における各種取り組みと情報公開に関する業績により受賞に至りました。

今回の受賞に対する評価点は、下記の通りとなっております。

 
  1. 快適性と省エネルギー性の両立を目指して、放射空調と微気流と組合せた空調システム(微気流併用放射空調システム)を採用するとともに、設計時点でのCFD解析、施工段階での実大実験検証、運用段階での温熱環境実測、アンケート調査等により、分析・評価が十分になされている。放射パネルに関しては、音環境や光環境、メンテナンス方法等にも配慮した計画がなされている。
  2. 立地制約上、西面採光となる悪条件において、アウタースキン、庇、窓、ブラインドを組合せた外皮計画により、日射遮蔽やペリメータ負荷削減に対して十分な対策がなされており、意匠的な面白さと環境性能を両立している。熱源システムでは、ヒートポンプ式熱源と二次側の放射パネル、デシカント外調機、井水利用等の組合せにより冷水(13℃)/温水(37.5℃)の中温度化を図り、一般的な冷水7℃、温水45℃の熱源システムと比較して26%の省エネルギーを実現している。搬送システムでは、放射空調の採用により空気搬送動力を大きく削減するとともに、冷温水温度差のとりにくい放射空調に対して熱交換器で熱源側と縁を切り、熱源側の温度差を確保することにより水搬送動力も削減し、一般的な空調機VAV方式と比較して58%の動力削減を図っている。また、超節水型便器や雨水、井水、厨房排水、空調ドレンの再生水利用により市水利用量を45%削減している。
  3. 設計、施工、運用の各段階で一貫した性能検証と評価を実施しており、特に運用段階では運用改善マニュアルを活用した性能検証を2年以上にわたり継続的に行うことにより運用改善を続けている。その結果、実績ベースで東京都省エネカルテの事務所の基準値に対して63%、BEST平成28年基準に対して54%のエネルギー消費量の削減を達成している。

 本業績は、都心の繁華街に立地し日射、騒音、景観において厳しい敷地条件の中で、施主のプロダクツ(アルミ建材)を駆使して、建築意匠・構造との合理性を保ちながら快適性・省エネルギー性を実現したものである。微気流併用放射空調や意匠計画と一体になったファサード計画、熱源システムでの中温冷水/温水の採用、継続的な性能検証の実現等に意欲的に取組み、結果としてエネルギー原単位で960MJ/(m2・年)、ZEBreadyを達成するとともに、BELS:5★を獲得、オフィスビルで日本初のLEED-CS(Core and Shell)v2009プラチナ認証を取得、ASHRAE Technology Awards 2017 First Place をアジアで初受賞する他、「第7回サステナブル建築賞」国土交通大臣賞受賞なども受賞しています。

 弊社は本建物において空調施工を手掛けるとともに、施工段階・運用段階における快適性およびエネルギーの適正化などの性能検証に携わり、実績ベースでのZEBreadyの実現に向け、建築主・設計者・大学とともに活動に尽力して参りました。 
 これらの知見をもとに、今後も空調の施工を通じ快適性の追求・オフィスビル使用エネルギーの半分以上を占める空調エネルギーの低減を目指し、社会と環境に貢献できる高品質な空調設備を提供できるよう努めて参ります。


 
下記リンク
• 2018年03月 「第7回サステナブル建築賞」国土交通大臣賞受賞
• 2017年04月 弊社が空調設備を施工した「YKK80ビル」が日本初のASHRAE Technology Awards最優秀賞を受賞


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